Amazon Primeで配信中のドキュメンタリー、「SNS-少女たちの10日間-」を観た。このドキュメンタリーは、幼く見える女優（もちろん成人済）に12、13歳の女の子になりきってもらい、サイトでどれくらいの男性がコンタクトを取ってくるかという実験を記録したもの。結果、未成年と分かっててもとんでもない数の人が連絡をしてくる。そしてその大半が自分の裸を送りつけたり、彼女たちに裸の写真を要求してきたりした。とんでもない現実を見せつけられるドキュメンタリーです。
こんな男の人たちばかりじゃないのは分かってるけど、男性って怖すぎ、ってなる、これ観ると。skypeでビデオ通話をする時は、最初に12歳であることを強調するっていうのが女優に出してる指示の１つなんだけど、相手の男性は彼女たちが未成年でもまったく気にしない。ただ自分の欲を解消するために彼女たちを利用する。いきなり下半身を映す人もいるし、子どもにするなんてありえないような質問を平気でしてくる。しかも怖いのは、この男性たちの大半が小児性愛者ではないということ。ビデオ通話での会話とかからもそういう傾向はほとんど見えなかった、と撮影に同席してた専門家が話してました。これはチェコのドキュメンタリーなんだけど、実際にチェコで未成年に手を出して逮捕された人も小児性愛者の割合って数パーセントらしい。小児性愛者は、子どもたちの世界に自分も入って仲良くしたいって気持ちが強いから露骨な性的表現は好まないそう、知らなかった。だからこうやって写真を強要したり、乱暴な口調で脅したりする人たちは、ただ未成年を自分の快楽のために利用しようとしてる人たち。
撮影のオーディションに来た女優のうち、7、8割が子どもの時に男性に下半身の写真を送られてきた経験があったらしい。やっぱ多いよね、私もある。女優の１人が、「12歳の時の私なら、裸の写真を送られてきたら好奇心で面白がってしまうかもしれない」、って発言してて、それに共感してしまった。自分がどんな返事をしたか覚えてないけど、少なからず自分は好かれてるのかな、とかは思ってしまっただろうし、嫌われるのが怖くてやり取りは続けてたはず。だからダメなんだよね、性的な目的で子どもに近寄るのは。善悪の判断ができる年齢じゃないし、突っぱねる勇気もきっとない。でも本当に多い、そういった弱い立場の子どもで欲を解消しようとする男性が。私が特に嫌だなって思ったのが、「男は皆こうだよ」「こういう生き物なんだよ」って言う男性がいたこと。これ普通に生活してても聞きませんか、めっちゃ嫌い、笑。男が女を好きなのは当たり前だから仕方ないよね、っていう、この理論で自身のクズさを正当化しようとする人の多いこと、何で？そういう生き物だから？男女平等、とかいうけど、やっぱり全然平等じゃないと思う、常に女性は品定めされて、どこか見下されてる。朝井リョウさんの「正欲」だったと思うけど、“五体満足の男に生まれた時点で優位に立てる”みたいな文章あった、実際そういうことはあるんだろうし、今まで刷り込まれてきた常識のようなもので、“男はこういう生き物”って子どもの頃からきっとずっと思ってて、女性の見た目の話を平気で人前でしたり、ジャッジしたりしてる。怖い、これをひっくり返すには一回地球が滅びないとダメなんじゃないかと思うくらい。もちろん女の人でも危ない人はいるし（本編ラストにも出る）、そういうことをしない男性もいるのは分かってるけど、がっかりすることも多いもんな、悲しいけど。そんな男の人の嫌なところ、を煮詰めたようなドキュメンタリーです。気持ち悪すぎてたまに笑ってしまう。何なんやろ、本当に欲を抑えられなくてこういう行動に走るのか、それとも「男は女の子を求めてこそ男」みたいな考えに男性たちも無意識のうちに縛られてるのか。わからない、本当に生物的な理由で女性を求めるっていうのはあるとは思うけど、全面に出されると怖い。躊躇なくやってるのも恐怖。
こうやって子どもに接触する人って、自分に抵抗できないような人を選んでるんかなって思う。女性は若い方が良い、っていうけど、これってもちろん肉体的な意味もあるだろうけど、大人になると自分の意見を持つようになるから、そういう意味でも自分が優位に立てる相手、つまり若い/幼い人が好まれるのかな、ってこれを観て考えた。自分に自信があるわけではない、って１人の男性が言ってたし。でもその割に、いきなり下半身を見せつけるのすごい、受け入れられるって思ってるから見せるわけでしょ。それとも受け入れてほしい、って願望で見せるのかな。そう考えると、その男性も何か家庭に問題があって寂しい思いをして生きてきたのかも、まあどんな理由であれ彼らのやってることは最低なんだけど。ショッキングな内容だから手放しでおすすめはできないけど、なるべくたくさんの人に観てほしい。子どもがいる人はもちろん、SNSをしてる人だったら観るべきものだと思う。子どもでも大人でも他人に消費される必要はない。
（今日のタイトル: i hope ur miserable until ur dead/Nessa Barrett)
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