今月観た映画でお気に入りだった作品を4つ紹介。
「ディナー・イン・アメリカ」
(Amazon Prime)
警察から追われてる男をかくまったら、その男が実は自分の推してる覆面パンクロッカーだった、というお話。
主人公パティは過保護な親に育てられ、恐らく友達もおらず、不器用で、性格も見た目も個性的。そんなパティがひょんなことから推し、サイモンと繋がる。最初は本人だと知らないまま、ただ仲良くするんだけど、パティもかなり変わってるし、サイモンも誰がどう見ても危険な男で、2人でいると周りが「こいつらやばいのでは?」みたいな顔するのが面白い。どちらも色んな意味で世間から変な目で見られてて、でも2人でいると2人の世界は完璧になる。パンク、がこの映画のメインテーマになってるから、“周りを気にせず突き進め”なメッセージがたくさん受け取れます。パティが書いた詞を2人で曲にするシーンがあるんだけど、その曲がすごく良いんです。ちゃんとこの曲apple musicとかで配信されてる、watermelonって曲。
fuck the rest of 'em
fuck 'em all
fuck 'em all but us
全員ぶっ飛ばせ
いなくなれ
私たち以外
「トーク・トゥー・ミー」
(Amazonにてレンタル)
Youtuber監督によるA24のホラー。私A24のホラーだと「ヘレディタリー」がお気に入りなんだけど、これもすごく好きでした。
降霊術の話で、日本で言うとこっくりさん。この映画では上の画像みたいに手のオブジェを握って「talk to me」と言うと目の前に霊が現れる→「let you in(私の中に入って)」と言ったらその霊が自分に憑りつく。ただ1つルールがあって、90秒でやめること。90秒以上憑りつかれた状態が続くと、霊が自分の中に居座る。失神ゲームが何年か前に流行ったと思うけど、それと同じような感じ、文字通りぶっ飛んだ感覚、を気持ちいいと感じてそれを楽しむ。危険を味わってみたいという好奇心と、誰かと話したい/誰かに触れたい、っていう孤独感を上手く利用したホラーだなと思った。主人公ミアもお母さんを亡くして精神的に病んでる子で、そんな子はきっと誰かの「手」を握りたいと思ってしまう。
Youtuberの監督だから、テーマとか視点も面白かったし、A24特有の、まあまあすごいインパクトの音/映像が突然現れる、っていう手法?も健在。霊の怖さというより、禁忌的なことに足を踏み入れたら人間はおかしくなるかもしれない、っていう恐怖を結構感じた。絶対的クオリティのA24、開始1秒でももうおしゃれだし、でもちゃんときもくて、相変わらず上手いなあと思わされました。終わり方も個人的に最高だった。
「パープル・ハート」
(Netflix)
私が最近ハマってる俳優ニコラス・ガリツィン!と、俳優/歌手ソフィア・カーソン主演のラブストーリー。
シンガーソングライターと海兵隊員のお話なんだけど、面白いなと思ったのは、恋に落ちて結婚、っていう展開じゃなくて、別に好きじゃないけどお金が必要だから軍の給付金をもらうために偽装結婚→だんだん恋に落ちる、ってところ。お互いのこと全然好きじゃないから、何の気も遣わずにいつも通りの自分として接し合うんだけど、異性として惹かれるというより、1人の人として、徐々に相手に愛を感じていくのがすごくよかった。弱さを見せ合って、いつの間にか恋に落ちてる。
この2人の美しさを楽しむためだけに観ても良いくらい。ソフィア・カーソン、歌がすごく上手い。あとで調べて知ったんだけど、ディズニーチャンネル出身なんだね、「ディセンダント」に出てる。この映画でファンになっちゃったから、彼女が主演のNetflixの「フィール・ザ・ビート」っていうダンス映画も観た(これも面白かったからおすすめ)。
あ、前書いたニコラスとアンハサウェイ主演の映画「the idea of you」、の架空バンドAugust Moonの曲がビルボードのチャートに入ったらしくて少し話題になってた。面白いよね、実在しないバンドがランキングに入るの。ハンナモンタナも架空のアーティストだったのが飛び出して実際にライブしたりしちゃったし、現実とフィクションの境界線って割と簡単に超えられるのかもしれない。
「ネクスト・ゴール・ウィンズ」
(Disney+)
実話を基にしたサッカー映画。
W杯予選で31-0という屈辱的な敗北を味わったアメリカ領サモアの代表チーム。そんな世界最弱のチームに1点を取らせるため、優秀だけど孤独と傷を抱えた男が監督としてやってくる。
サッカーは、というかスポーツは勝つことが大事。でも楽しむことも大事。サモアはのんびりとした島国で、選手もかなりゆるい。最初はそれを見て怒り散らす監督だったけど、だんだんと価値観や文化の違いを受け入れていく。ただ楽しめばオッケー!楽しむことが全てです!みたいなある意味で説教じみた映画だったら、途中でがっかりしてた気がするけど、ちゃんとスポ根的要素もあって、バランスが良い。サモアという国の伝統を大事にしながら、“勝利”ではなく“1点”に向かって進んでいくのが泣けます。
第三の性を持つ見た目が女性のジャイヤという選手がチームを明るくしてるのも素敵だったし、31点取られてトラウマを抱えてしまったキーパーが奮起するのもよかった。ちょくちょく笑えて、ちゃんと感動もして、誰が見ても心が温かくなる映画。
今回はいろんな配信サービスから選びました。気になったものがあれば是非。次はAvrilのこと書く。
(今日のタイトル: watermelon/ John + Jane Q. Public)
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